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アップサイクルにおける企業の取り組みやコツは?|具体的な例3選

カテゴリー: コラム 投稿日:2025.03.06 / 最終更新日:2025.02.03
sanyoAdmin

執筆者山陽製紙

アップサイクルにおける企業の取り組みやコツは何?|具体的な例3選

サステナブルな社会を形成するうえで、世界中でアップサイクル(upcycle)の存在感が増していることはご存知でしょうか。近年では、日本国内でもアップサイクルを推進する企業が多くなってきているようです。

今回は、アップサイクルの基本情報を説明しつつ、アップサイクルにおける企業の取り組みやその際のコツをご紹介します。読了後は、アップサイクルに対する理解度が高まるでしょう。アップサイクルに関する基礎知識を得たい方は、ぜひ最後までお読みください。

アップサイクルの基本情報

アップサイクルの基本情報

まず、アップサイクルの基本的な知識について学んでいきましょう。ここでは、言葉の意味、長所、短所といった3つの見出しに分けて解説します。

アップサイクルの意味

アップサイクルには、「不用品に新しい付加価値を与えて再利用する」という意味があります。具体的に取り扱うのは、食品やファッション用品などさまざまです。

リサイクルやダウンサイクル、リユースなど、アップサイクルに似た言葉は多く存在しますが、「アイテムの価値がアップする」という点に重きを置いているところが、アップサイクルと他の言葉との大きな違いです。

アップサイクルの長所

アップサイクルには、主に下記のような長所が存在します。

  • 限りある地球の資源を活用できる
  • 消費者の環境意識を高められる
  • 持続可能な事業への取り組みを、社会に発信することができる

これに加えてアップサイクルは「アイテムの価値を高めること」を重視しているので、クリエイティブな商品を生み出しやすいのが特徴です。

そのため、創造的なビジネスに興味関心がある場合は、アップサイクル事業に取り組むといいでしょう。

アップサイクルの長所についてさらに詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にご覧ください。

関連記事:アップサイクルのメリット・デメリットとは何?具体的な実例も紹介

アップサイクルの短所

アップサイクルには、長所だけでなく短所も存在することを忘れてはいけません。代表的な短所は以下の一覧のとおりであり、一般的なビジネスと比べるとプロジェクトの進行に手間がかかりやすいことがわかります。

  • 廃棄物や使えないモノを材料として使用するため、生産計画が立てにくい
  • アイデアを出すまでに時間がかかるため、スピーディーな事業開始・展開は難しい

また、アップサイクルを事業に取り入れる場合、不用品の存在が前提となるため、ビジネスが長期的に持続可能であるかどうかには議論の余地があります。企業としてアップサイクルに取り組む場合は、このような短所について理解しておくことが必要です。

アップサイクルの短所についてはこちらの記事でも触れていますので、あわせてお読みください。

アップサイクルにおける現在の状況

捨てられるモノやいらないモノなどを有効活用することで、サステナブルな社会づくりに貢献するアップサイクル。未来の地球にとって重要な考え方でもあるアップサイクルは、新たなビジネスとして世界で注目を浴びています。

アップサイクル事業を一から始める場合もあれば、自社の製品やノベルティにアップサイクルのプロダクトを使うケースも少なくありません。

アップサイクルに企業として取り組むことで、社外に対して大きくアピールできるので、気になる方は類似事例をリサーチするところから始めましょう。

ノベルティについては、以下の記事でより深い情報を紹介しています。関連情報として、ぜひ参考にご覧ください。

関連記事:ノベルティの意味とは?目的や効果、企業イメージ向上の事例もチェック

企業によるアップサイクルの取り組み例

企業によるアップサイクルの取り組み例

ここからは、長年アップサイクルに取り組む弊社・山陽製紙株式会社の事例について見ていきましょう。今回は、「PELP!(ペルプ)」「PELP!+(ペルププラス)」「牛乳パック再生紙」の3例を取り上げるのでぜひお読みください。

PELP!

「PELP!」は、オフィスで出たコピー用紙(古紙)を再生紙「PELP! PAPER(ペルプペーパー)」へとアップサイクルする会員制のサービスです。こうして作られた再生紙は、オフィス用品や雑貨などの「PELP! PRODUCT(ペルププロダクト)」へと生まれ変わります。

不用になったコピー用紙を専用袋「PELP! BAG(ペルプバッグ)」に入れて宅配便で送ることで、アップサイクルを進めます。会員の方が直接古紙を送るので、サービスの透明性が高いところもポイントです。

また、紙の再生状況がWeb上で確認できるシステム「KAMITORE(カミトレ)」もあわせて提供しています。さらにこのシステムでは紙を焼却するのではなく、アップサイクルしたことによって実現できた二酸化炭素削減量などをチェックすることが可能です。

なお、山陽製紙でつくる「PELP! PRODUCT」にはKAMITOREとひもづいたQRコードがついています。このQRコードを読み込むと、どの企業で集められた古紙でできているかということを閲覧でき、一般消費者の方にも自社の取り組みを知ってもらうことができます。

具体的には、下記のような仕組みのもとで「PELP! PRODUCT」を製造していきます。専用袋を開封せずに処理を行うため、情報漏洩が心配な方も安心してご利用可能です。

※PELP! BAG運搬途中のアクシデントによる機密の漏洩は責任を負いかねます。

  1. 「PELP! BAG」到着後、開封せずにそのままパルパー(大型のミキサー)に投入する
  2. 溶解処理を行い、原料(古紙パルプ)に戻す
  3. 古紙パルプに含まれる異物・ごみなどをクリーナーで取り除く
  4. 「円網抄紙機(2層式)」で原料を抄いていく
  5. 製造したシートをドライヤーで乾燥させる
  6. 「PELP! PAPER」が完成する
  7. 顧客の希望に合わせて「PELP! PAPER」を加工する
  8. 「PELP! PRODUCT」が完成、顧客の元へ

続いて、「PELP!」の内容をより詳しく説明するために、株式会社アドブレーン様の事例をご紹介します。

これまで大量に廃棄されてきたシュレッダーごみを「PELP!」によってアップサイクルし、オリジナリティがありデザイン性の高い社用封筒を制作されました。

こちらの取り組みは、社内外から多くの評価を得たとのこと。社内全体でSDGs(持続可能な開発目標)に取り組むきっかけとなるアイデアなので、詳しくはこちらをご確認ください。

参考ページ:株式会社アドブレーン様 社用封筒

「PELP!」に関する情報をさらに知りたい方は、下記ページもご参照ください。

参考ページ:PELP!

PELP!+

「PELP!」は、各企業から出たオフィス古紙を複数の企業でシェアしてアップサイクルするサービスです。

これに対して「PELP!+」は他社の古紙を混ぜず、自社の古紙のみでアップサイクルすることが可能になります。

自社で排出した不用コピー用紙だけを原料に(※)再生したPELP! PAPERでオリジナルプロダクトを作成したり、PELP!+ロゴと自社ロゴを組み合わせたロゴを使用することもできます。
※強度などの品質維持のため、30~50%程度白色系の古紙パルプを配合しています。

なお、「PELP!+」の場合も「PELP!」で提供しているシステム「KAMITORE」が同じように利用できるので、再生状況の把握が可能です。

「1社の中で紙を循環させたい」「アップサイクルに取り組みながら、自社のオリジナリティも発揮したい」という場合は、こちらのページを参考にご覧ください。

参考ページ:PELP!+

牛乳パック再生紙

山陽製紙では、小学生への教育活動の一環として、廃棄される牛乳パックを再生紙としてアップサイクルしました。

アレルギーの問題をはじめとしたさまざまな障壁がありましたが、牛乳パック再生紙を通して子どもたちへのSDGs教育を進めることができました。詳しい内容は、下記からご覧いただけます。

参考ページ:牛乳パック再生紙

弊社・山陽製紙株式会社がこれまでに取り組んできた製品例については、こちらの記事で詳しく説明しています。本記事とあわせてご覧ください。

アップサイクルに企業で取り組む際のポイント

企業全体でアップサイクルに取り組む場合、社内で気を付けるべきポイントがいくつか存在します。ここでは、代表的なポイントを2つピックアップしてまとめました。

①今までにない案が出せるよう意識すること

まず、同じ業界の他企業には思いつかないような独自のアイデアを出すことが重要です。というのも、現在多くの企業がアップサイクルに取り組んでおり、類似したアイデアを出しても埋もれてしまう可能性が高いからです。

そのため、新規性の高い素材を使った企画や、どれだけSDGsの達成に貢献できているか確認できる新しいシステムなどを提案するといいでしょう。

以下の記事では、日常生活で使えるアップサイクルのアイデアや考え方について解説していますので、関連情報としてご確認ください。

関連記事:簡単にできるアップサイクルのアイデア例と発案のコツについて

②長期的に取り組める内容を考えること

短期間で終わることなく、長期的に取り組めるようなアイデアを出すことも、大切な要素の一つです。同じ事業に長年取り組み続けるからこそ、「持続性の高いビジネスに取り組んでいる企業である」と社内外へアピールできます。

事業の成長性や、外部環境の変化などを十分に考慮し、10年、20年以上継続できるような事業内容を考えましょう。

これらに加えて、以下の記事で取り上げているような「その素材ならではの注意点」に配慮することも必要です。補足情報としてご覧ください。

関連記事:不用品を紙としてアップサイクルする際の特徴・事例・注意点は?

紙創りを通して喜びを共有する山陽製紙

紙創りを通して喜びを共有する山陽製紙 山陽製紙は創業以来、紙と共に歩んできた再生紙のスペシャリスト集団です。 環境のみならず、様々な社会的な課題に真摯に向き合い、自社の特徴を活かしながら解決のために挑戦する企業のお役に立ちたいと考えています。
  • 小ロットでも発注できる製紙メーカーを探している
  • 製紙・商品開発の相談がしたい
  • 工場見学をしてみたい
…など、ぜひお気軽に山陽製紙にお問い合わせください。
sanyoAdmin

執筆者:山陽製紙

1957年の設立以来、60年余り大阪・泉南市で再生紙に携わってきた紙づくりのプロフェッショナル集団です。 工業用クレープ紙の製造のほか、廃棄されてしまう製造副産物やオフィス古紙などを紙に抄き込みアップサイクルした「オーダーメイド再生紙」や、オフィス古紙の回収や再資源化サービスの「PELP!」など、限りある資源を活用し、循環型社会を実現するため日々取り組んでいます。 小さな製紙メーカーだからこそできる600kgからの小ロットの製紙で、お客様の想いに寄り添った紙づくりを実現していきます。

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