• ホーム
  • コラム
  • 簡単にできるアップサイクルのアイデア例と発案のコツについて

簡単にできるアップサイクルのアイデア例と発案のコツについて

カテゴリー: コラム 投稿日:2025.01.09 / 最終更新日:2024.12.27
sanyoAdmin

執筆者山陽製紙

不用品の価値を高めて、新たなアイテムに生まれ変わらせるアップサイクル(upcycle)。そんなアップサイクルは、家庭で気軽に取り組めることも大きな特徴のひとつです。

この記事では、アップサイクルの専門家である山陽製紙株式会社が、アップサイクルの基礎知識を説明したうえで、簡単にできるアップサイクルのアイデアについて解説します。読了後は、アップサイクルに関する知識が増えていることでしょう。

アップサイクルのアイデアを考えるコツやアップサイクルがもたらす未来についても触れていくので、アップサイクルの情報が気になる方はぜひ最後までお読みください。

アップサイクルの基礎知識

アップサイクルのアイデアについて見ていく前に、基本的な知識についておさらいしておきましょう。ここでは、言葉の意味・歴史・長所・短所の4点を取り上げます。

アップサイクルとは何なのか

アップサイクルという言葉の意味は、「不用なモノや廃棄物の価値を高める形で新しいアイテムに生まれ変わらせ、再利用すること」です。「リメイク」などと異なるところは、モノの価値を高める点を重視していること。ポジティブな方向性を保ちながら商品や資源の再活用ができることもあり、アップサイクルは世界的に注目されています。

アップサイクルの概要については、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひご確認ください。アップサイクルと似た言葉(「リサイクル」など)との相違点も説明しています。

関連記事:アップサイクルとは?リサイクル・リメイクとは違う?|例・歴史・長所なども紹介>

アップサイクルの簡単な歴史

「アップサイクル」という言葉の歴史は、1994年10月のレイナー・ピルツ氏のインタビューの中で提唱されたことが始まりとされています。しかし、モノの価値を高めて利用していくアップサイクルの考え方は、これ以前から存在していました。

たとえば、日本では昔から「金継ぎ」が文化のひとつとして定着していました。金継ぎは、割れてしまったお皿などを漆によってつなぎあわせ、再利用する技法のことです。修繕前と比べて金継ぎならではの独特の模様が生まれるため、不用なモノ(割れたお皿など)に新たな価値が付与されます。

参考ページ:Repepa Instagram

このように古くから親しまれてきた「今あるモノを大切にする考え方」は、アップサイクルという言葉によってさらに存在感が増してきているのです。現在はSDGsへの注目度が高まっている影響もあり、この傾向は今後も続いていくことでしょう。

以下のコラムでは、アップサイクルとSDGsの関連性についても触れていますので、ぜひお読みください。

関連記事:アップサイクルの意味とは?リサイクルとの違いや事例紹介

アップサイクルの長所

ここでは、家庭で実施するアップサイクルにおける長所を紹介します。

  • 地球環境を守るための行動に繋がる
  • 今ある資源を大切にしようという気持ちが根付く
  • 創作意欲を掻き立てる

本来なら破棄してしまうアイテムを有効活用するようになれば、「次はどんなものをアップサイクルすることができるだろう?」と考える癖がつくようになります。そうすることで、環境問題への意識が高まっていくことも期待できるのです。

また、発想力が刺激されることによって、今までにないアイデアを生み出すこともできるでしょう。アップサイクルにはこういった長所があるので、積極的に取り組んでみるといいですね。

地球環境を守り、循環型社会を形成するために知っておきたい情報は以下の記事で解説しています。

アップサイクルの短所

家庭でのアップサイクルには、長所だけでなく短所もあります。

  • 家庭で実施できるアップサイクルには限度がある
  • 別途お金がかかるケースもある

大規模なアップサイクルには、多くの場合専用の機械やプロフェッショナルな技術が必要になります。そのため、家庭でアップサイクルを行う場合は、個人でできる範囲のアイデアを採用することになるでしょう。もし規模の大きなアップサイクルに取り組むことを希望しているなら、専門の業者に問い合わせをすることをおすすめします。

なお、アップサイクルの際にお金がかかる可能性がある点も覚えておきましょう。なぜなら、新しい材料や塗料を購入するケースがあるからです。これらの短所を理解したうえで、アップサイクルに挑戦できるといいですね。

簡単なアップサイクルのアイデア6選

「カーボンオフセットとカーボンニュートラルの違いは?考え方と仕組みを理解しよう」にて使用

ここからは、ぜひ試してほしいアップサイクルのアイデアを6つご紹介します。今すぐに挑戦できるアイデアも多いので、気になるものを見つけましょう。

①古着→バッグ

もう着なくなった洋服を生地として再利用し、バッグなどのファッション小物に作り変えるのも、アップサイクルのアイデアの一つです。

たとえば、生地感がお気に入りだったコートや、個性的な柄のTシャツなどは、コーディネートを引き締めるアイテムとして新しい一面を見せてくれるはずです。アップサイクルを行うことで、世界にひとつしかない宝物を手に入れることができますよ。

参考ページ:Repepa Instagram

②容器→ちりとり

使い終わった容器を切り取って、ちりとりとしてアップサイクルする方法もあります。弊社の工場でも実際にこのちりとりを活用しているのですが、10年以上使用できるほど丈夫です。工具や作業環境のある工場ならではのアイデアなのでなかなか真似しづらい例ですが、もし家庭で再現する場合は、サイズの小さい容器を使うといいでしょう。そうすることで、いろいろな場所で使いやすいようにアレンジできますよ。なお、容器を切り取る際は、ケガをしないようによく気をつけてくださいね。

参考ページ:Repepa Instagram

③空き瓶→インテリア雑貨

ジャムや調味料の瓶は、工夫次第でおしゃれなインテリア雑貨に生まれ変わらせることができます。

シンプルな瓶の中にビー玉やドライフラワーなどを入れれば、部屋を魅力的に彩るインテリアグッズに変身しますよ。そのほか、生花を飾る花瓶として使う方法もあります。ビンをそのまま使うだけでなく、塗料を使って色を塗ったり、リボンやレースなどで飾ったりするのもいいでしょう。

ただし、瓶の中に入っていた食材が残ったままにならないよう、アップサイクル前にしっかりと洗い流すことが大切です。

④カラーボックス→おしゃれな家具

部屋の収納として、カラーボックスを使用している方も多いのではないでしょうか。古くなってしまったカラーボックスに色を塗ることで、おしゃれな家具にアップサイクルさせる方法もあります。

このときにおすすめしたいポイントが、「外側だけでなく、内側にも着色すること」。これによって家具に個性が出せるので、部屋全体の印象を変えることもできるでしょう。

⑤コーヒーやお茶のかす→脱臭剤

コーヒーやお茶を飲み終わったら、使用済みのコーヒーかす・ティーバッグを脱臭剤として活用するのもおすすめです。なぜなら、コーヒーやお茶の出がらしには脱臭効果があるからです。

脱臭剤の作り方は非常に簡単。使用後のコーヒーかす・ティーバッグを乾燥させ、ガーゼや市販の「お茶パック」などにこぼれないようにして包み、下駄箱や戸棚の中に置いて使います。

食品を再利用することで新しく脱臭剤を買うコストも省けるので、一石二鳥のアイデアですね。

⑥ペットボトル→おもちゃ

飲み終わったペットボトルをそのまま捨てずに回収・再利用し、子ども向けのおもちゃとしてアップサイクルさせるのもおすすめです。

ペットボトルをしっかり洗い流したら、お風呂で遊べるペットボトルシャワーや、飛ぶ様子が楽しめるペットボトルロケットなどを作りましょう。家族全員でアップサイクルに取り組むことで、忘れられない思い出が作れるかもしれません。

なお、ペットボトルをカットして遊ぶ際は、大人の方が作業を行うか、そばでサポートすることを徹底してください。カットした部分が鋭利になり、怪我をする危険があるからです。

アップサイクルのアイデアを考えるコツ

アップサイクルのアイデアを考えるコツ

アップサイクルのアイデアをいくつか自分で試したあとは、自分でオリジナルのアイデアを考えてみてはどうでしょうか。ここからは、アップサイクルのアイデアを考えるコツを3つ取り上げるので、ぜひチェックをおすすめします。

①素材をどう活かすか考える

アップサイクルの本質や目標は「不用品そのものの素材を活かし、価値のあるものに変えること」にあるので、素材をどう活かすかについてよく考えることが重要です。

最初はなかなかアイデアが浮かばなくても、「古着の生地の良さを活かしたい」→「生地を使ってバッグを作ろう」というように、自然とアイデアが浮かんでくるはずですよ。

②自分が使いたいものを作る

アイデアを出す際は、自分が使いたいアイテムや今自分が一番欲しいものを思い起こすといいでしょう。そうすることでアップサイクルへのモチベーションも上がりますし、自分が使いたいものを自分の手で作り上げる楽しさを感じることができます。

③これまでの実例から学ぶ

情報をインプットすることでアイデアがひらめくこともあるので、日本中・世界中の企業が取り組んでいるアップサイクルの実例や活動を参考にするのも有効です。販売されているいろいろなアップサイクル製品を、インターネット、雑誌、新聞などを使って探してみましょう。

以下の記事では山陽製紙が担当してきたアップサイクル製品、ブランド、サービスなどの例を紹介しているので、どうぞあわせてお読みください。

関連記事:アップサイクルの製品例3選!基本知識や大切なポリシーも

アップサイクルが変えていく未来

アップサイクルによって今ある資源を有効活用することで、廃棄物を削減し、結果的に地球環境の保護に繋げることができます。多くの人がアップサイクルの意識を持つことで、「日常生活の中で、人々がなるべくごみや廃棄物を出さないように意識するようになる」「環境問題の解決に向けて自分から実践しようとする」といった期待が持てるでしょう。

家庭でできる簡単なアップサイクルに取り組むことは、そんな未来の実現に結びついているのです。今回ご紹介したアイデアを参考にして、今できることからアップサイクルを始めましょう。

こちらの記事では、日本が抱える森林環境問題と、紙を通してその問題を解決する方法について解説しています。今後役に立つ可能性があるので、参考にご覧ください。

紙創りを通して喜びを共有する山陽製紙

紙創りを通して喜びを共有する山陽製紙 山陽製紙は創業以来、紙と共に歩んできた再生紙のスペシャリスト集団です。 環境のみならず、様々な社会的な課題に真摯に向き合い、自社の特徴を活かしながら解決のために挑戦する企業のお役に立ちたいと考えています。
  • 小ロットでも発注できる製紙メーカーを探している
  • 製紙・商品開発の相談がしたい
  • 工場見学をしてみたい
…など、ぜひお気軽に山陽製紙にお問い合わせください。
sanyoAdmin

執筆者:山陽製紙

1957年の設立以来、60年余り大阪・泉南市で再生紙に携わってきた紙づくりのプロフェッショナル集団です。 工業用クレープ紙の製造のほか、廃棄されてしまう製造副産物やオフィス古紙などを紙に抄き込みアップサイクルした「オーダーメイド再生紙」や、オフィス古紙の回収や再資源化サービスの「PELP!」など、限りある資源を活用し、循環型社会を実現するため日々取り組んでいます。 小さな製紙メーカーだからこそできる600kgからの小ロットの製紙で、お客様の想いに寄り添った紙づくりを実現していきます。

関連記事