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アップサイクルとリサイクルの違いは?|リメイクなど似ている用語も紹介

カテゴリー: コラム 投稿日:2025.01.16 / 最終更新日:2024.12.27
sanyoAdmin

執筆者山陽製紙

「アップサイクルという言葉をよく耳にするけれど、リサイクルと何が違うのだろう?」「アップサイクルとリサイクルの違いを把握したい」

今回はそんな方々に向けて、アップサイクルに関する豊富な実績を持つ私たち山陽製紙株式会社が、アップサイクルとリサイクルの違いについてわかりやすく解説します。

アップサイクル・リサイクルに似た言葉も説明するので、循環型社会を目指すうえで主要な用語を学んでおきたい方や、環境問題に注目している方は、ぜひこちらの記事を最後までお読みください。

アップサイクルの基本情報

まず、アップサイクルに関する基本的な知識を得ていきましょう。ここでは、言葉の意味やこれまでのあゆみに加えて、魅力的な特徴、課題点、今後の展望についても説明していきます。

アップサイクルにおける言葉の意味

アップサイクルは、「不用品に手を加えることによって新たな価値を付与し、違う形で資源を利用すること」を指す言葉です。アップサイクルは別名「クリエイティブ・リユース」「創造的再利用」などとも呼ばれており、現在世界中で関心が持たれています。

アップサイクルの具体例

アップサイクルの具体例といえば、「使わなくなった服の生地をバッグやポーチに作り変える」「不用な紙を使ってアクセサリーやインテリア用品を作る」「本来ならそのまま廃棄される予定の食材(野菜など)をもとに、別の食品を開発する」などが例に挙げられるでしょう。

山陽製紙ではアップサイクルとして、廃棄物となる梅の種を使ったブランド「SUMIDECO(スミデコ)」や、オリジナルの再生紙を作ることができる「オーダーメイド再生紙」などを展開しています。詳しい情報が知りたい場合は、こちらのページを参考にご覧ください。

参考ページ:SUMIDECO(スミデコ)

参考ページ:オーダーメイド再生紙

なお、企業が大々的に実施するビジネスだけでなく、各家庭で気軽に取り組める活動もアップサイクルに含まれます。

家庭でも実施しやすいアップサイクルのアイデアについては、以下の記事で詳しく取り上げていますので、ぜひあわせてお読みください。

関連記事:簡単にできるアップサイクルのアイデア例と発案のコツについて

アップサイクルのあゆみ

アップサイクルの考え方は昔から存在していましたが、「アップサイクル」という言葉が誕生したのは、1994年10月、ドイツのメディアに掲載されたレイナー・ピルツ氏のインタビューがきっかけだといわれています。

そこから時間は経ち、現在アップサイクルの活動は世界中に普及しています。というのも、近年限りある資源を有効活用することの重要性が叫ばれるようになったためです。2015年9月に国連サミットで提唱されたSDGs(持続可能な開発目標)の存在も、この流れを後押ししているでしょう。環境問題への興味関心はさらに増していくと予想されるため、これからもアップサイクルの考え方は広がっていくと考えられます。

アップサイクルの魅力的な特徴

アップサイクルには、多くのメリットがあります。そんな中でも特筆すべきなのは、「資源をクリエイティブな形で再利用できる」ということではないでしょうか。アップサイクルは、新しいアイテム・商品によってより多くの人々の生活を充実させ、結果的に地球全体の環境問題解決に貢献していくことでしょう。

また、「別途新しい素材を仕入れる必要がないため、コスト削減ができる」という点もアップサイクルを語るうえで外すことはできません。これに加えて、「持続性の高い事業に取り組むことで、社会的評価の向上に繋げることができる」という影響力も重要です。

アップサイクルの課題点

アップサイクルの大きな課題点は、「アップサイクルする回数にも限度がある」ということでしょう。たとえアップサイクルをしても、モノには最終的な寿命があるので、いつかは破棄されることになってしまいます。

よって、環境負荷の少ない循環型社会を目指すためには、アップサイクル以外のアプローチも取り入れながら、広い視野で活動を進めることが重要です。

循環型社会についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。企業と個人がそれぞれ取り組むことができる活動の種類もまとめています。

アップサイクルの今後

アップサイクルは今後も世界中で拡大していくことが予想されるため、日本国内でも関連ビジネスが増えていくことでしょう。そして、新たな廃棄物や製造副産物の使用などによって、アップサイクルの可能性がさらに広がっていくことも期待できます。

リサイクルの基本情報

リサイクルの基本情報

次に取り上げるのは、リサイクルに関する基礎情報です。リサイクルは、アップサイクルと似ている言葉のように見えますが、アップサイクルと異なる要素を多数持っています。

リサイクルにおける言葉の意味

リサイクルは、「不用品を原材料に変えてから、新しい製品として再利用する」という意味を持つ言葉です。そんなリサイクルは環境保護において重要な「3R」のひとつであり、資源の再利用において大きな役割を果たしています。

リサイクルの具体例

現在、リサイクルはさまざまな形式によって行われています。具体的な例は、「ペットボトルなどのプラスチックごみを原料として新しいプラスチック製品を作る」「牛乳パックを回収し、紙製品を生産する」「携帯電話の部品を集め、電子機器の製造に役立てる」などです。大量の自社製品を回収するなどして、大々的にリサイクルを行う企業も多く見られます。

リサイクルのあゆみ

リサイクルの考え方も、古くから社会に存在していたと考えられています。そして、時代を経るにつれてリサイクルは多くの国々で取り組まれるようになり、今や現代人にとって欠かせない社会貢献活動のひとつとなりました。

以下の記事では、日本に伝わるリサイクル文化のひとつとして、再生紙の情報を扱っています。再生紙にどのような歴史があるのか学びたい方におすすめの記事ですので、あわせてお読みください。

関連記事:再生紙とは?平安時代から続く紙のリサイクル文化

リサイクルの魅力的な特徴

リサイクルの代表的な長所は、「ごみの総量が減らせる」ということではないでしょうか。リサイクルの過程によってごみ→材料→別の製品に姿を変えていけば、ごみの減量によって二酸化炭素の排出も低減できます。

このほかに、「リサイクルの取組みを通して関連イベントなどを開催でき、地域の活性化が可能である」なども魅力的な特徴として例に挙げられるでしょう。

リサイクルの課題点

リサイクルには、「ごみをリサイクルするまでに多くの手間と時間がかかる」「多額の費用がかかるので、リサイクルせずに製品を新しく製造・販売した方が安い」などの課題点が存在します。

リサイクルはごみを一度原料に戻す必要があるため、そのぶんコストがかかりネガティブな要素が目立ってしまうのです。

リサイクルの今後

地球環境への注目度は向上し続けているため、今後もリサイクル市場は拡大していくとみられています。また、リサイクルは多くの消費者に認知されており、言葉の知名度も高いので、目標とされる循環型社会を実現するための有効な技術・手段として親しまれていくでしょう。

アップサイクルとリサイクルの違い

以上のことから考えると、アップサイクルとリサイクルにおける大きな違いは、以下のとおりです。

  • 創造性:創造的再利用と呼ばれるアップサイクルのほうが、リサイクルより付加価値を生みやすい
  • コスト:リサイクルは、アップサイクルより再生時のエネルギー利用などにコストがかかる場合が多い
  • 認知度:活動の認知度はアップサイクルよりリサイクルのほうが高い

このような違いはありますが、2つには共通する部分も多いため(両方とも「廃棄物を生まれ変わらせることで、資源が節約できる」という長所があるなど)、アップサイクルとリサイクルを明確に区分することが難しいという面もあります。

アップサイクルとリサイクルで迷ったら

アップサイクルとリサイクルにはそれぞれの良さがあるため、「どちらを選べばいいのだろう?」と迷うシーンもあるかもしれません。

アップサイクルとリサイクルの境界線は必ずしも明確に分かれているわけではないので、そういった際は「まず、不用品やごみを本当に捨てるべきなのかどうかを見直して、活用方法はないか考えること」を意識するといいでしょう。

アップサイクル・リサイクルに似た言葉

アップサイクル・リサイクルに似た言葉

最後に、アップサイクル・リサイクルと似た言葉の意味について解説します。それぞれの違いを理解することで、資源循環や省資源に関する総合的な知識が身に付きますよ。

①リユース

リユースは、「一度使用したモノを捨てずに繰り返して使う」ことを指します。古着などを買い取ってもらうリユースショップや、中古車販売店のサービスなどがリユースの主な例です。このほかに、使用済みのビンなどを回収して再利用する方法も、リユースの一種として知られています。

②リデュース

リデュースは、「廃棄しなければならないごみの量を減らす」ことを指す言葉です。ごみ削減のために、「ビニール袋はなるべく使わず、マイバッグを使用する」「食材は必要なぶんだけ購入する」などがリデュースの例に挙げられるでしょう。

こちらの記事では、リデュースの具体的な事例について紹介しているので、参考にご覧ください。

③リメイク

リメイクという言葉は、「もう使わないモノを加工することで、新しいモノを作る」という意味を持ちます。ただしアップサイクルのように、新しいモノに必ずしも付加価値がある必要はありません。

④ダウンサイクル

ダウンサイクルはアップサイクルの対義語であり、「不用品に手を加えることによって資源を利用するが、新しく作られたモノの価値は低下する」という意味を持つ言葉です。「不用な衣類を裁断し、タオルや雑巾として使用する」などのケースが、ダウンサイクルの代表的な例といえます。

ここで紹介した言葉はそれぞれに良い部分があるので、各々のシーンに適した対策を実践するといいでしょう。

紙創りを通して喜びを共有する山陽製紙

紙創りを通して喜びを共有する山陽製紙 山陽製紙は創業以来、紙と共に歩んできた再生紙のスペシャリスト集団です。 環境のみならず、様々な社会的な課題に真摯に向き合い、自社の特徴を活かしながら解決のために挑戦する企業のお役に立ちたいと考えています。
  • 小ロットでも発注できる製紙メーカーを探している
  • 製紙・商品開発の相談がしたい
  • 工場見学をしてみたい
…など、ぜひお気軽に山陽製紙にお問い合わせください。
sanyoAdmin

執筆者:山陽製紙

1957年の設立以来、60年余り大阪・泉南市で再生紙に携わってきた紙づくりのプロフェッショナル集団です。 工業用クレープ紙の製造のほか、廃棄されてしまう製造副産物やオフィス古紙などを紙に抄き込みアップサイクルした「オーダーメイド再生紙」や、オフィス古紙の回収や再資源化サービスの「PELP!」など、限りある資源を活用し、循環型社会を実現するため日々取り組んでいます。 小さな製紙メーカーだからこそできる600kgからの小ロットの製紙で、お客様の想いに寄り添った紙づくりを実現していきます。

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