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ピクニックピローに使われているオーガニックコットンのはなし

カテゴリー: よみもの 投稿日:2021.04.06 / 最終更新日:2024.11.21
sanyoAdmin

執筆者山陽製紙

ピクニックピローに使われているオーガニックコットンのはなし

オーガニックコットンと言うとタオルやベビー服、最近ではマスクやナプキンなど、肌触りの良さと科学的なものを含まない安心感から直接肌に触れるものや小さなお子さまに選ばれています。

山陽製紙で開発した”紙でできた小型の枕ピクニックピローの中に詰めるコットンも、ふわふわの使い心地と環境に負荷を与えない素材を求め、「絶対オーガニックコットンにしたい」と強く思いました。

コットンがいかにたくさんの農薬を使用して栽培され、農地を痛め、栽培する人たちの健康を害するかということを知っていたからです。

ピクニックピロー

どうやってオーガニックコットンを手に入れるか

我が社の近くに大正紡績株式会社という、100年間この地で糸を紡いでいる会社があります。

世界のオーガニックコットンの生産量は、コットンの総生産量の0.7%に過ぎませんが、大正紡績さんは、使用するコットンの30%がオーガニックコットンなのです。

市場に普通のコットンはいくらでも販売されていますが、生産量を見れば分かるように、簡単にオーガニックコットンを、それも必要な分だけ手に入れることは難しい。

…どうやってオーガニックコットンを手に入れるか。

そう考えたときに、私たちの身近にあるオーガニックコットンの会社大正紡績さんがすぐに浮かび、電話を掛け、お願いに行きました。車で10分たらずの距離です。

事情をお話しすると、それなら繊維が太くて短い強いコシと弾力性に優れたコットンの方がピローとして長く使えるとアドバイスを頂きました。

それがペルー産の“アスペロ”というオーガニックコットンです。

オーガニックコットンに対する何の知識もない私たちに、それは丁寧にかつ楽しく教えて下さいました。こうして国際基準をクリアしたことを示すGOTS認証(※)をとったオーガニックコットンを分けて頂けることになりました。

(※GOTS認証とは

入手困難で貴重なアスペロ綿

後日談です。

お陰様でピクニックピローは細々とですが売れ続け、まとまってのご注文が頂けるかもしれない商談がが近づきました。

その際現在の在庫では不足してしまうので、「同じようにもう一度オーガニックコットンを手配頂くことは可能でしょうか。」とお願いしたときに、返ってきたご返事は

「アスペロ綿を求めるご注文が多く、私たちも手配したいのですが、もうアスペロ綿の在庫がほとんどないのです。そしてそれを新たに手に入れることもとても困難な状況です。」というものでした。

アスペロ綿はペルーで栽培されているのですが、ほとんど山奥で自生している状況に近く、アスペロ綿の栽培契約をしてくれるところが見つからないというのです。

代わりに、インドの契約栽培で在庫されていたORGANIC DESHIで少しだけ残っていたものを分けて下さることになったのですが、そんな貴重なオーガニックコットンを使用させて頂いていたのかと驚きました。

オーガニックコットン

もっともっとオーガニックコットンのことを広めたい

貴重なものだと知り驚くと共に、私たちはもっともっとオーガニックコットンのことを広めたいと思うようになりました。

早くから環境問題に危機感を持ち、環境に配慮されたルールの中で生産されるオーガニックコットンを少しでも使用していくことに決めた大正紡績さん。
このような素敵な志を持った企業さんと共に、環境に寄り添える製品をお届けしたいと思います。

▶オーガニックコットン | 大正紡績株式会社
▶ピクニックピローを見る

この記事を書いたひと

原田千秋 山陽製紙株式会社 専務取締役

原田千秋山陽製紙株式会社 専務取締役

広島県呉市出身

広島大学教育学部卒業後、同じ大学のマンドリンクラブで同期だった原田六次郎氏(現:山陽製紙株式会社 代表取締役社長)と結婚。
中学校の教員を経て、1992年、経理等を担当するため山陽製紙の社員となる。
瀬戸内海の島育ちにも関わらず、水泳もできない運動音痴。
耳元に広がる波の音や、山が黄金色に染まるみかん畑などが心の原風景。
山陽製紙(株)の経営ビジョン「地球の財産を生かし、自然と共に生きる永続企業」もその様な原風景が背景にある。
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    • 小ロットでも発注できる製紙メーカーを探している
    • 製紙・商品開発の相談がしたい
    • 工場見学をしてみたい
    …など、ぜひお気軽に山陽製紙にお問い合わせください。
    sanyoAdmin

    執筆者:山陽製紙

    1957年の設立以来、60年余り大阪・泉南市で再生紙に携わってきた紙づくりのプロフェッショナル集団です。 工業用クレープ紙の製造のほか、廃棄されてしまう製造副産物やオフィス古紙などを紙に抄き込みアップサイクルした「オーダーメイド再生紙」や、オフィス古紙の回収や再資源化サービスの「PELP!」など、限りある資源を活用し、循環型社会を実現するため日々取り組んでいます。 小さな製紙メーカーだからこそできる600kgからの小ロットの製紙で、お客様の想いに寄り添った紙づくりを実現していきます。

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